ここに1冊の面白い本があります。
ベイルアームは001
國吉昌秀氏・著「ベールアームは世界を回る」。
2008年につり人社から出版。
たぶん有名な本なんじゃないかな。 

表紙の写真からして、何やらすでにヤバイ感がモリモリ。

主にスピニングリール発展の歴史を中心に、
欧米や日本を中心とした、いわゆる古今東西の
氏がコレクションしたリールの写真がてんこもり。

まー、面白いったらありません。

がんがん読み進んで行くと、
このようなリールを見つけました。
ベイルアームは002
ベイルアームは003

イギリスはMALLOCH(マロック)社の、「サイドキャスター」。

なるほど。
タイコ型リールを90度回転させてぶん投げた先駆者とな。
これはスピニングリールが誕生した根本の発想とのこと。
スピニングリールのご先祖様ですな。

でかいガイドが超カッコイイですねえ。


あらあ、素敵(すてぎ)だあ。(訳:あら、素敵ね。)

・・・欲しいなあ。



どれどれ、とググって見たら、
わお!なんとヤフオクに出物が。

しかし、お値段なんと、ごまんろくせんえ〜ん!




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・・・・・。





がーん

がーん。





・・・気を取り直して
出品者の他のオークションをチェックしてみたら、
同じような形のリールを発見。

ん〜?
オーストラリア製?
ALVEY?

オーストラリアは確か、
イギリスの元植民地。
なるほど。つながりますな。 

お、メーカーのホームページがあるぞ。
今もやってる会社なんだ。
なんか強烈そうなメーカーだぞ。 

開始価格は8,600円か。
比較的リーズナブル。

マロックは完全にアンティーク品ですが、
ALVEYはちょっと近代的に見えます。

どうやらサイドキャスターのコピー&改良型っぽい。
レバーやら何やら色々ついていて
使い勝手もやや改良されている雰囲気。
骨董的価値は低いとしても、ALVEYの方が実用的かも。

こっちなら手が届くかも。
しかし、いくらリーズナブルとはいえ、
グリスを買う600円の出費にさえ躊躇する私にとっては超高額品。

しばらく考えた後、
試しにセカイモンで検索をかけてみると、
イーベイにけっこうな数のALVEYが出品されてました。

目をつけたリールは、
現在10数ドル。
こりゃいいぞ。

国際送料、手数料一切込みで6千数百円の予想。
出品者はイギリスの人。
しかもこっちの方がヤフオクのものより状態がよさそう。

セカイモンは手数料がかかって割高になるけど、
英語で出品者と直接やりとりするストレスやリスクを考えれば
納得の適正価格と思われ。
届かなかった場合の返金保証もあるし。

「提督の決断」並みに眼を閉じてしばらく沈思。

やおらくわっと眼を開き、
清水の舞台から飛び降りる覚悟でセカイモンで入札。
入札ボタンをクリックする時、
自爆ボタンを押す感覚に近かった気がする。

そして無事落札。
明細はこれ。
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商品価格1,653円(笑)。
でもいいのだ。
4,000円でイギリスまで買い物に行けないもんね。
安い買い物だ!

と自分に言い聞かせる。



で、無事に海を渡って届いたのがこれ。
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ウエルカム・トゥ・ジャパーン。
よく来たなあ。
これからはうちで楽しく暮らすのだよ。
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うひ〜。
超カッコイイ。
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これはたまらん。
ため息が出ますね。


分解。
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激、シンプル。潔し。

男たるもの、仮に日本橋の上で臓物をさらけ出しても
恥ずかしくないような生き方をせよ。

昔、時代小説かなんかで読んだ気がする。
その意味でALVEYは立派。

かくありたいのものであります。



スプールの裏側。
クリック用ギア。
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本体プレートの裏側。
クリックの爪。
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90度回転ロックボタンの裏側。
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投げる時は90度回転。

この状態からPRESSレバーを押してロックを解除し、
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ジャキーン。
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原始的で野蛮なラインガイド。最高。
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天使の輪みたい
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このデカガイド、
のちに不要になることが判明するわけですが、
(現行モデルでは撤廃されているから)
開発当初「これは必要だろ!」と考えた設計者の気持ちは
ものすごくわかる気がする。



うーん、実釣が楽しみだなあ。

タイコ型リール、憧れてたんだよなあ。

「リバー・ランズ・スルー・イット」の
ブラッド・ピットみたいに、
(いろんな意味で、違うだろ)
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ファイトの時にリールをピューン!と逆転させてみたい。
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カリカリカリカリ・・・って、鬼のように巻いてみたい。
ギア比1:1、究極のローギアで。超速激巻き。
(正確にはギアではないけど)


スピニングリールの歴史は、
こんな感じから始まったのかあ・・・

いいですねえ。
うん。いい。

ぶん投げるのも楽しみだなあ。
どの竿に合わせようかなあ。

もちろんターゲットは「恋」だな。

もとい、「鯉」です。

むふふ。

しかし、待てよ。
そもそも俺にちゃんと扱えるのだろうか?

タイコ型リール初めて使うし。

俺、ちょっと不安。



ところで、「ALVEY」ってどう発音するんだろう。

同社サイト内の動画を拝見すると、
「アービー」って聞こえますね。

ググってみたら、米語の発音では「ǽlvi」。
「アルヴィ」と「エウヴィ」をたして2で割った感じでしょうか?

たぶん日本語表記では「アルビー」なんだろうな。
たぶん。

もしご存知の人がいたら教えてください。



ちなみに「ALVEY」の脳内はこんな感じ。
ALVEY
わりと人をイラっとさせるタイプか?(笑)


オーストラリアからやって来た
孤高のフクロオオカミ、ALVEY。


さて、次はALVEYで実釣ですね。
ターゲットは鯉。 
乞うご期待。

おっと、その前に
ちょっと検討したいテーマがあったんだ。

先にそっちを書きます。





つづく